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【社労士目線の新聞解説】年俸制と残業代

2022/07/26

日経新聞に「サイバーエージェントが2023年春の新卒入社の初任給を42万円に引き上げる。営業やデザイナーなど非IT(情報技術)人材では、22年春入社と比べて2割超の大幅な増額となる。(省略)サイバーは、全社員に一定の残業代を含んだ年俸制を導入している。(省略)」という記事があった。

気になったのは、「一定の残業代を含んだ年俸制」のフレーズ。残業代を含んだ年俸制を設定できるのだろうか?
①プロ野球選手
年俸と聞いてプロ野球選手を思い起こす人が多いと思うが、プロ野球選手は請負契約なので従業員ではない。従ってそもそも残業という考え方をしないため、延長戦に突入したとしても残業代は発生しない。
②サラリーマン
1)固定残業制を組み込む場合・・・あらかじめ固定残業代を年俸に含むケースがある。これは定められた残業代の範囲では残業代は発生しない。しかし、定められた範囲を超えると別途残業代の支払が必要になる。
2)管理監督者(≠管理職)の場合・・・管理監督者の場合は、深夜労働を除いて残業代の支払をする必要はない。管理職に導入するケースが多いのはこのためだが、深夜勤務は残業代の対象のため注意が必要。また、部長とか課長といった管理職だからと言って管理監督者とは限らない。
3)裁量労働時間制を利用する場合・・・裁量労働時間制は、実労働時間にかかわらず労働時間を一定の時間とみなす制度。実労働時間を規制する労働基準法の原則対する例外の制度になる。この制度は、適用できる従業員が限定されるので導入の際は注意が必要。

一般の従業員に適用する場合は1)のケースが多くなると思うが、プロ野球選手と異なり労働時間の管理と場合によっては残業代の支払が発生するので注意が必要になる。

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